奈緒子にとっての、上田の必要性

 

   「霊能力なんて存在しない」という信念を持つ奈緒子、しかし、「1」では黒津兄弟にまんまと騙され黒門島へ向かい、「2」では妖術使

  いがいると思い、「3」でも黒津分家に騙されてしまった。「1」で上田が言っていたように、奈緒子は「自分の事になると、霊能力を否定し

  切れない」のである。 

   上田は「1」で里見の警告を振り切って黒門島へ向かい、「2」でも森の中を追いかけて行き、「3」でもやはり黒門島へ向かった。どれ

  もこれも奈緒子の為である。普段怖がりである彼が、何故そこまで奈緒子を救おうと必死になるのか…。 いつもは奈緒子が上田を引

  っ張って行っているが、この時ばかりは上田が頼もしい。最終話だけは、奈緒子と上田の立場が逆転するのである。

         

   上田がいなければ「1」の段階で、奈緒子は黒門島に住み続ける事になっていた、もしくは黒津分家に殺されていたのかもしれない。

  その後も、やはり自分の生まれや、存在、霊能力への因縁を引きずり続けていたのであろう。

   上田は奈緒子無しでは冒険の一つもできない。上田にとって奈緒子は必要なのである。しかしそれ以上に、奈緒子にとって上田は

  必要な存在”なのである。

 

   その昔、カミヌーリの力を持つ里見を救ったのは、“山田剛三”という霊能力を否定する1人のマジシャンだった。そして、その2人の

  子である奈緒子を救ったのは、“上田次郎”という、やはり霊能力に否定的な立場をとる1人の物理学者だった。

   カミヌーリの子孫は、成長するにつれ自分の力に悩ませられる。そんな彼女らに必要なのは、まさしく“別の世界”から連れ戻してくれ

  る、“不可思議な力に囚われない強い信念を持つ男”なのではないだろうか?

 

  

   最後に、これを書くきっかけを与えて頂き、そして参考とする事を快く承諾して下さった、ミラクル次郎さんにお礼を述べたいと思います。

  本当に有難う御座いました。

   照:http://miraclejiro.hp.infoseek.co.jp/trick2memo06.htm    TRICK2ちょっとイイ話 episode5(後編)       (ご協力:ミラクル次郎様)

 

 

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